Q59.薬の飲み方について教えてください。

【A】薬は担当医の指示通りに飲むことが大切です。もし医師から処方された薬に関して何か不安があるときや,吐き気などからだの症状によって指示通りに飲めないときには担当医や薬剤師に相談しましょう。また,他の医療機関を受診したときは,現在飲んでいる薬の内容を医師に伝えてください。

薬を飲む時間 ▶内服の抗がん剤 ▶飲み忘れたときの対応 ▶他の薬や飲食物との飲み合わせ
薬の保管

解説

薬を飲む時間

薬を飲むタイミングについては,「食前」「食後」「食間」「眠前」「○○時,頓用(とんよう)」などの指示が出ます。薬によっては飲むタイミングを間違うと,薬の効き目が変わることがあります。「食前」とは,食事の30分くらい前,「食後」とは食事が終わって30分くらい後のことを指します。「30分」は目安ですので,あまりこだわる必要はなく,多少時間がずれても飲み忘れないことのほうが大切です。また,糖尿病の薬など一部の薬では,必ず食事を取る必要があります。どのような薬であっても,食事が取れなかった場合の対応は事前に医師や薬剤師に確認しておきましょう。

飲む時間が決められている薬は,決まった時間に飲むようにしてください。そうでないと,効果が十分に出なかったり,強く出すぎたりする場合があります。

1日1錠ずつ内服するホルモン剤は,1日のうちの何時に飲まれても効果は同じです。朝飲み忘れていることに午後気づけば,その時に飲んでください。前日飲み忘れたことに気づいて,その日に2錠飲む必要はありません。なお,誤って1日2錠飲まれても健康上の問題はありません。

1週間に一度や1カ月に一度内服する骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の薬(ビスフォスフォネート製剤)は,他の薬や食べ物,水以外の飲み物と一緒に服用すると,からだに十分吸収されず効果が低下します。十分な薬の効果を得るためには,ビスフォスフォネート製剤は朝起きたときの空腹時に飲んで,その後30分以上たってから食事をするようにしてください。また,薬が口の中や食道に付着しないようにコップ1杯の水で飲んでください。そして,飲んだあと30分間はからだを起こした状態で過ごしてください。

頓用薬は症状があるときに使う薬です。使用する間隔や1日に使ってよい回数などは薬によって異なりますので,担当医や薬剤師に確認してください。次の診察の際に,使った量や回数,その後の症状の変化について担当医や薬剤師に伝えてください。

内服の抗がん剤

抗がん剤や分子標的治療薬には注射薬だけでなく,内服薬(飲み薬)もあります。内服の抗がん剤であるテガフール・ギメラシル・オテラシル(商品名 ティーエスワン)やカペシタビン(商品名 ゼローダ)は,薬を飲む期間(服用期間)と飲まない期間(休薬期間)があります。副作用の種類や程度によって,1回に服用する量を減らしたり服用期間を短くしたり,あるいは休薬期間を長くしたりする場合があります。薬の服用量は効果や副作用にも影響しますので,医師の指示通りに服用し,自分の判断で服用量や服用期間を変更しないでください。また,これらの薬と絶対に一緒に使用してはいけない薬があります。以前に処方された薬が自宅に残っていても,決して飲まないでください。

飲み忘れたときの対応

薬は医師の指示通りに飲むことが大切です。しかし,ときに飲み忘れてしまうことがあるかもしれません。飲み忘れに気がついたときにどうしたらよいかは,事前に担当医や薬剤師に確認しておきましょう。多くの場合は,飲み忘れに気がついたときが,本来飲むべき時間からあまりたっていなければ,気がついた時点で飲んで問題ありませんが,時間がたってしまったときには,その分は飲まずに次の分から飲むことになります。その際に,前回飲み忘れたからといって,一度に倍量を飲むことはせずに,決められた1回分だけを飲んでください。

週1回だけ飲むビスフォスフォネート製剤は,気づいた日の翌朝に服用し,その後は決められた曜日に服用してください。

飲み忘れが多い場合は,1週間分の薬を1回分ずつに分けて入れておく「お薬ボックス」などを利用するとよいでしょう。また,ご家族など身近な人に確認してもらうのもよいでしょう。

他の薬や飲食物との飲み合わせ

2種類以上の薬を飲んだときに,薬の効果が強くなったり弱くなったり,あるいは思いもよらない副作用が出たりすることがあります。これは,医師から処方される薬ばかりでなく,市販薬との間でも起こる可能性があります。漢方薬の中でも甘草(かんぞう)や麻黄(まおう)を含むものは特に注意が必要です。したがって,他の医療機関を受診する場合や薬局で市販薬を購入する場合は,現在飲んでいる薬の内容について医師や薬剤師に伝え,問題がないかどうかを確認してください。日頃から使用している薬の記録(「お薬手帳」など)をつけておき,それを提示するとよいでしょう。

薬は食べ物や飲み物との飲み合わせが問題になる場合もありますので,水かぬるま湯で飲むようにしてください。その他の飲み物(グレープフルーツジュースやお茶など)で服用した場合,薬によっては効果が強くなったり弱くなったりする場合があります。最近は水なしで飲める薬も出てきています。詳しくは薬剤師にお尋ねください。

薬の保管

医師または薬剤師の指示通りに保管しましょう。「冷所保存」など特別な指示のない薬は,直射日光のあたるところや,車など高温になるところ,湿気が多いところは避けて,できるだけ涼しい室温で保管してください。また,小さなお子さんがいる場合はお子さんの手の届かないところに保管してください。決してほかの人が間違えて飲んでしまうことがないようにしてください。医療機関で処方された薬は本人しか使用できません。同じ病気や症状の方がいても絶対に譲らないでください。

ガイドライン

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