Q65.若年乳がんについて教えてください。

【A】若い女性でも乳がんと診断されることは少なくありません。結婚,妊娠,出産,育児など若い女性には他の年代の女性とは異なるライフイベントがあるので,担当医や看護師など医療スタッフと十分に相談して治療を受けてください。

若年乳がんの特徴はどのようなものでしょうか ▶若年乳がんの治療はどのようなものでしょうか
家族との関係について教えてください ▶治療後の生活について教えてください

解説

若年乳がんの特徴はどのようなものでしょうか

一般的に34歳以下を若年乳がんと呼ぶことが多いのですが,妊娠・出産・育児などの生活スタイルから40歳代も若年乳がんとしてとらえられることもあります。2011年に乳がん(上皮内がんを含む)と診断された81,319人中34歳以下は1.8%,35歳から39歳は4.2%,40歳代は20.8%でした(国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報サービス http://ganjoho.jp/public/index.html)。

乳がんには,遺伝が関係して起こるものと,そうでないものがあります。一般に,家系の中に乳がんの人が複数いる場合を「家族性乳がん」と呼び,その中でも乳がんに関係する遺伝子に異常が認められるものを「遺伝性乳がん」と呼びます(☞Q5参照)。

日本を含め世界の多くの国でマンモグラフィ検診の対象は40歳もしくは50歳以上であるため,40歳未満の女性が無症状で検査を受ける機会は少なく,若年乳がんの多くは患者さん自身がしこりや乳頭からの血性分泌物などに気づいてみつかっています。そのため,若年乳がんには非浸潤がんは少なく,2cm以上の浸潤がんやリンパ節転移を伴うなど,若年でない乳がんに比べると病状が進んだ状態で診断されることが多くみられます。

乳がんと診断された後,生検標本や手術で切除された標本を観察して乳がんの種類や性質を診断します。若年乳がんの組織の特徴として,ホルモン受容体陰性乳がんが多いこと,HER2陽性乳がんが多いこと,トリプルネガティブ乳がんの割合が高いことがあります。手術後の再発の危険性は,若年であるという年齢よりも,診断された時点での進行度や,がんの性質(ホルモン受容体陽性乳がんか,HER2陽性乳がんやトリプルネガティブ乳がんか)との関係によるものと考えられています(☞Q27参照)。

若年乳がんの治療はどのようなものでしょうか

若年乳がんであるからといって治療の基本的な考え方に違いはありません。しかし,若年女性特有の事情に配慮して治療を考える必要があるため,乳房を残す乳房温存手術を希望するのか,乳房を切除する必要がある場合は乳房再建術を希望するのか,将来の妊娠・出産を希望するのかといったことなどについて,担当医や看護師など医療スタッフとよく相談してください。妊娠中に乳がんと診断された場合(☞Q66参照)や,将来の妊娠・出産を希望する場合(☞Q67参照)には治療による影響を考えてどのような治療を受けるかを選択する必要があります。

家族との関係について教えてください

大切な人には病気のことを率直に話し,病気に関しての悩みを打ち明け,病気の現状について理解を共有することが大切です。ご主人には自分の感じていることや病気への不安や悩みなど自分の心の内をまず話してみましょう(☞Q56参照)。診断を受けた時点で独身の方も少なくなく,大切なパートナーがおられる場合や将来素敵な出会いがあった際に,打ち明けるタイミングや相手との関係などについて悩むことがあると思います。病気に限らないことですが,お互いをよく知り,信頼関係を築いていく必要があります。

小さな子どもや学校に通う子どもがいると,自分の病気や治療のことだけでなく,子どもの世話や子どもとの接し方など考えなければならないことがあるでしょう。通院や入院での治療の間に子どもをみる人が必要となるでしょうし,幼稚園や学校の担任の先生へも伝えることになるでしょう。また,子どもに病気のことを説明する際には,子どもの年齢によっても説明や接し方が変わってきます(→Q56参照)。一人で悩まないで,ご家族そして病院の相談窓口,医療スタッフ,お住まいの地域の児童相談所に相談したり,次ページに掲載しているホームページなどを参考にされるとよいでしょう。

治療後の生活について教えてください

若年乳がんの患者さんは,ご主人やパートナーとの関係,育児,仕事など一人ひとりで生活や気になるところも異なりますが,医師から特に指示がない限り,生活上の制限はありません。治療後の性生活も特に病気への影響はありませんが,治療によっては性生活にさまざまな変化が起こることがあります。またご自身の心身の回復度,パートナーの受け止め方や性の考え方などもそれぞれ個人差があります。お互いの状況や気持ちをできるだけ相手に伝え,あせらずゆっくりお互いの満足のできる方法を探しましょう(☞Q57参照)。

また,同じ病気の仲間から大切な情報をもらうことも役立つでしょう。仕事や恋愛のことなど今直面していることを先輩患者さんがどのように乗り越えてきたか,その話を聞くことやその姿をモデルとしてみることは支えとなります。このような患者さん同士の支え合いであるピアサポートや患者会,体験者の声については以下に掲載しているホームページをご参照ください。

〈厚生労働省研究班が運営するホームページ〉
若年乳がん患者のサバイバーシップ支援プログラム http://www.jakunen.com/index.html
がんと就労 http://www.cancer-work.jp/
Hope Tree(ホープツリー)~パパやママが“がん”になったら~ http://www.hope-tree.jp/
〈患者サポートグループが運営するホームページ〉
Breast Cancer Network Japan-あけぼの会 http://www.akebono-net.org/
VOL-NEXT http://www.v-next.jp/
乳がん患者友の会 きらら http://www.ac.auone-net.jp/~hcancer/
〈体験者の声が紹介されているホームページ〉
健康と病いの語りディペックス・ジャパン http://www.dipex-j.org/bc/
乳がん羅針盤 http://nyugan-rashinban.jp/index.html
若年性乳がんサポートコミュニティピンクリング http://www.pinkring.info/
JPOP-VOICE http://jpop-voice.jp/cancer/index.html
乳がん.JP http://www.nyugan.jp/
STAND UP!! http://standupdreams.com/

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