2021年 班研究班員募集のお知らせ
1.研究課題:「乳癌診療における、適正な患者報告アウトカム活用の検討」
2.研究の目的
日常診療において、医師はがん病巣およびがん治療による健康への影響を正確に評価し、それに応じて治療方針の変更、支持緩和療法の導入等を適切に判断する必要がある。しかし、限られた診療時間内での評価には限界がある。患者の自覚する身体・心理的な問題に関し、医療者報告と患者報告とには乖離があること、いわゆるunder-reportingが明らかにされている。このため、臨床研究では患者報告アウトカム(patients reported outcome: PRO)の評価が重視されるようになった。
一方、PROを日常臨床に活用し、診療の質を高めようとする取り組みが始まっている。例として、PROによる化学療法時の有害事象評価と対策、抑うつ・不安など心理的な問題を抱えた個人の同定と早期介入等があげられる。さらに近年のIoT技術を利用し、電子デバイスによる健康状態の在宅モニタリング{electronic PRO (ePRO)}の取り組みも始まっており、将来のがん診療の形態を大きく変える可能性がある。
PRO評価の本質は患者と医療者のコミュニケーションを良好に保つことであり、その臨床導入にあたっては、評価方法の妥当性検証や双方の環境整備が必要である。班研究では、医師・看護師・薬剤師・理学療法士等の医療者、患者および患者の家族を交え、下記の課題に取り組む。
・日常臨床にけるPRO評価方法の適正化(病態に応じた評価、期間、アラート閾値等)
・医療者・患者双方の環境整備(運用モデル、情報共有手法、個人情報保護、コンプライアンスを高める工夫等)
3.研究期間:2021年度より2年間
4.班構成:10名以内
5.選考方法:学術委員会が選考し、理事会にて決定する
6.研究費:班に対し1年間200万円(計400万円)
7.研究発表: 1.中間報告 第30回日本乳癌学会学術総会(2022年)
2.最終報告 第31回日本乳癌学会学術総会(2023年)
3.「Breast Cancer」誌に班研究終了後1年以内に投稿すること(必須)
8.応募方法: 【班研究課題 分担課題研究計画書】1枚にて個人1名の応募とする。
E-mail:oubo@jbcs.gr.jp
送付先:東京都中央区日本橋3-8-16ぶよおビル3F
日本乳癌学会 学術委員会宛
9.応募締切:2021年1月31日(日)必着
2021年 第27回日本乳癌学会研究奨励賞のお知らせ
若手研究者を奨励するために、乳癌関連の研究に対して日本乳癌学会研究奨励賞を設けています。奮ってご応募下さい。
1.対 象:本邦で行われた乳癌関連の研究およびその主たる研究実施者
2.応募資格:3年以上の日本乳癌学会会員歴を有する者
(2021年1月31日現在、会員であること、年会費納入済みであること)
申請時40歳以下
(2021年1月31日現在、満40歳以下)
3.申請方法:学会指定の申請用紙に所定事項を記入して提出
(代表論文3編以内の別刷を1部ずつ添付すること)
4.応募締切:2021年1月31日(日)必着
5.選 考:学術委員会が3人以内の候補者を選考し、理事会にて決定する
(応募者が国内機関で実施した研究業績を主として評価し、海外での業績や共同研究による業績も加味して決定します)
6.表 彰:受賞者に賞状と賞金30万円
(学術総会において、研究内容を報告していただきます)
7.選考発表:2021年 第29回日本乳癌学会学術総会
8.応募方法:申請用紙をメール添付もしくは郵送にて事務局に送付する。
E-mail:oubo@jbcs.gr.jp
東京都中央区日本橋3-8-16ぶよおビル3F
日本乳癌学会 学術委員会宛